
ギターの音がヘン!
昨日まではちゃんと鳴ってたのに、
今日はなんか変な音ばっかり…

あ〜。きっとチューニングがズレちゃったんだね。
毎回チューニングってしてる?

ユニうさちゃん
チューニング…?

ギターって、弾かなくても少しずつ音がズレていく楽器なんだよ。
だから、練習や演奏の前には必ず“音を合わせる”作業=チューニングが必要なんだ。

ギターのチューニングとは?
ギターチューニングとは、ギターの各弦を決められた音の高さ(音程)に合わせる作業のことです。
ギターの音がキレイに響くかどうかは、このチューニングの正確さにかかっています。
ギターの弦は、時間とともに自然に音がズレていきます。
特に、初心者の方が最初に戸惑うのは「昨日合わせたのに、今日またズレてる!」という現象。
でもこれはまったく普通のこと。
ギターのチューニングがズレる原因
ギターのチューニングは、主に以下のような要因で乱れます。
- 弦の伸び・緩み
- 気温や湿度の変化
- ペグ(糸巻き部分)の緩み
- ギターをケースから出し入れしたときの衝撃
つまり、「毎回チューニングしてから弾く」が基本中の基本なのです。
プロの演奏家でも、演奏前には必ずチューニングを行います。
ギターチューニングに必要な道具
ギターチューニングにはいくつかの方法がありますが、初心者におすすめなのは以下の3つです。
クリップチューナー
ギターのヘッド部分に挟んで使用する小型のチューナーです。
振動を感知して音程を測るので、周囲の音に影響されず正確にチューニングできます。
ライブや練習でも手軽に使えるので、最初の1台に最適です。
スマホアプリ
無料で使えるチューナーアプリも多数あります。
特に人気なのは「GuitarTuna」「Fender Tuner」「Pano Tuner」など。
インターフェースがわかりやすく、初心者でも感覚的に使えるのが魅力です。
音叉(おんさ)・ピッチパイプ ※上級者向け
基準の音を耳で聞いて、他の弦をその音に合わせていく方法です。
音感トレーニングには最適ですが、初心者には少し難易度が高め。
慣れてきたらぜひチャレンジしてみましょう。

基本のチューニング方法(レギュラーチューニング)
チューニングと一口に言っても、いくつかの種類があります。
その中で最も基本的なのが「レギュラーチューニング」です。
このチューニング方法は、多くの教則本やレッスン動画でもまず最初に登場します。
レギュラーチューニングは一度覚えてしまえばとてもシンプルです。
毎日の練習前に5分ほどでできるようになります。
演奏を始める前の“準備運動”のようなものと考えるとよいでしょう。
レギュラーチューニングの実際の手順
ギターの弦を6弦(最も太い弦)から順に以下の音に合わせていきます
- 6弦:E(ミ)
- 5弦:A(ラ)
- 4弦:D(レ)
- 3弦:G(ソ)
- 2弦:B(シ)
- 1弦:E(ミ)
この順番と音名を覚えることが、ギタリストとしての第一歩です。
特に最初のうちは正しい音程の感覚を身につけるためにも、チューナーを活用することが大切です。
チューナーを使いながら、正確に音程を合わせていきましょう。
クリップチューナーを使ったチューニング手順
ここでは、最も手軽で初心者に人気の「クリップチューナー」を使ったレギュラーチューニングの手順を、順を追って解説します。
手元にクリップチューナーがある方は、ぜひギターを構えながら試してみてください。
手順1:チューナーをギターのヘッドに取り付ける
チューナーはヘッド(糸巻きがついている先端部分)にしっかり挟みましょう。
正しく振動を拾うため、できるだけペグの近くに取り付けるのがおすすめです。
手順2:6弦(太い弦)からチューニングを開始
弦を軽く弾くと、チューナーが反応して「今の音」が何かを表示してくれます。
最初は6弦からスタートします。
表示が「E」になっていない場合は、音が高いか低いかを確認してペグを調整しましょう。
手順3:ペグを使って音を合わせる
チューナーを見ながら、表示された音が「E」になるように、ペグを回します。
- 音が低すぎる(表示がD♯やDなど)場合:ペグを締める(時計回り)
- 音が高すぎる(表示がFなど)場合:ペグを緩める(反時計回り)
針やランプの色で「正しい音」に到達したことを知らせてくれるチューナーもあります。
たとえば、針が中央にきたときや、ライトが緑になったときが「ぴったり」合っているサインです。
手順4:1本ずつ順に進める
6弦(E)が合ったら、次は5弦(A)→4弦(D)→3弦(G)→2弦(B)→1弦(E)の順で、1本ずつチューニングを進めていきます。
順番に、1本ずつの弦に集中して調整するのがポイントです。
手順5:最後にもう一度全体を確認
全ての弦がチューニングできたら、もう一度6弦から順にチェックしてみましょう。
弦を調整することで、他の弦にもわずかにテンションが影響することがあるため、最終確認を行うことで安定したチューニングができます。
チューニングをスムーズに行うポイント
チューニングに慣れてくると、操作そのものは難しく感じなくなってきますが、それでもちょっとした工夫や意識の持ち方で精度やスピードが格段にアップします。
ここでは、初心者がつまずきやすいポイントや、実際のレッスン現場でもよくある質問をふまえて、スムーズにチューニングを行うためのコツや注意点をまとめました。
「なんだか合っているようで合っていない気がする…」と感じている方や、「毎回の調整に時間がかかる…」という方は、ぜひチェックしてみてください。
弦はゆっくり回して調整
急にペグを回すと音が飛びすぎて、なかなか音が合いません。
1回転で大きく変わるので、少しずつ微調整を心がけましょう。
巻き方向を把握しよう
ギターの種類や弦によって、ペグの巻き方向が異なることがあります。
最初のうちは覚えるのが大変かもしれませんが、「音を出して→ペグを回して→確認する」の繰り返しで自然と体に染みついていきます。
チューナーの表示に集中しすぎない
音を「目で見る」感覚に頼りすぎると、耳が育ちにくくなることも。
慣れてきたら、弾いた音を耳で聞いて「高い?低い?」を考えるクセをつけてみましょう。
騒がしい場所では反応が鈍ることも
クリップチューナーは振動で音を拾いますが、周囲の騒音や振動の影響を受けることも。
なるべく静かな環境でチューニングするのが理想的です。
よく使われるチューニングの種類(応用編)
今回はレギュラーチューニングをメインにご紹介しましたが、他にも楽曲やジャンルによって以下のようなチューニングが使われます。
ドロップDチューニング(6弦だけDに下げる)
ドロップDチューニングは、6弦(最も太い弦)だけをE→Dに下げるチューニング方法です。
つまり、他の弦(5弦~1弦)は通常のレギュラーチューニングのままで、6弦だけを全音(2フレット分)下げます。
【チューニング構成】
6弦:D
5弦:A
4弦:D
3弦:G
2弦:B
1弦:E
このチューニングの特徴は、パワーコード(5度コード)が1本の指で押さえられるようになること。
特に、ロックやメタル系のジャンルで多用され、重厚で迫力のある低音サウンドが得られます。
また、フィンガースタイルでの演奏や、スライドギターのような奏法にもよく合い、幅広い音楽ジャンルで応用が利くのも魅力です。
レギュラーチューニングからの変化も少ないため、初心者が最初に試すオルタナティブ・チューニングとしておすすめです。
半音下げチューニング(全弦を半音下げる)
半音下げチューニングは、その名の通り、全ての弦を通常のレギュラーチューニングよりも半音(1フレット分)低く調整するチューニングです。
【レギュラーチューニング → 半音下げ】
6弦:E → D♯(またはEb)
5弦:A → G♯(Ab)
4弦:D → C♯(Db)
3弦:G → F♯(Gb)
2弦:B → A♯(Bb)
1弦:E → D♯(Eb)
このチューニングは、以下のような目的で使われることが多いです。
ボーカルの音域に合わせやすい
少し音が低くなることで、歌いやすくなる曲が多く、弾き語りにも最適です。
音に深みと重さが出る
全体的に落ち着いた音色になり、ハードロックやパンクなどのジャンルに適しています。
テンションが緩くなって弾きやすい
弦の張りがわずかに柔らかくなり、フィンガリングやチョーキングがしやすくなるというメリットもあります。
ただし、他の楽器(ピアノやバンドの仲間)と一緒に演奏する際には、キーが半音ズレることに注意が必要です。曲全体の調性を考慮して使いましょう。
まとめ:まずは“知っておく”ことからスタートしよう!
チューニングは、まだギターを始めたばかりの方にとっては少し難しく感じるかもしれません。
しかし、演奏の幅を広げるうえでも、とても重要な知識です。
特に好きなアーティストの曲が「実は〇〇チューニングだった!」といったケースもよくあります。
チューニングの知識があることで、耳コピーを正確にできるようにもなります。
聴いて気になったら「この曲ってどんなチューニングなんだろう?」と調べてみるクセをつけてみましょう。音楽の楽しみがもっと深くなりますよ!
