あなたは、どんなジャンルの音楽が好きですか?
音楽には、さまざまな「ジャンル」がありますよね!
ロック、ポップス、R&B、ソウル…。
同じように、「ボーカル」「歌」にも、ジャンルがあります。
・曲によって、どう歌いわけるのか?
・ボーカルの「ジャンルごとの特徴」は?
など、「歌のジャンル」を理解すると、
自分に合うボーカルスタイルを見つけるきっかけになるだけでなく、
楽曲ごとの「性格」を正しく判断できるようになるので、
「その楽曲に合った歌い方」が、わかるようになります!
このガイドは、歌のジャンルをわかりやすく解説し、
それぞれの特徴や魅力を紹介しています。
初心者から上級者まで、ぜひ、あなたのボーカルライフに役立ててくださいね!
ボーカルジャンルの基準
歌の「ジャンル」は、どんな風に分けられるのでしょうか。
歌い方や、声の使い方で、音楽ジャンルごとに違う、それぞれの音楽に合う表現ができます。
ここでは、ボーカルジャンルの基準となる「分け方」を、4つの要素で簡単にわかりやすく紹介します。
ボーカルジャンルの基準①音域
ボーカルにおける「音域」は、「歌い手が出せる、最低音から最高音までの範囲」のことです。
ギターやサックス、ピアノなどは楽器によって音域が決まりますが、歌の場合は人によって音域が変わる、という特徴があります。
音域が広いと表現できることが増えるので、様々な音楽ジャンルに対応できるようになります。
ボーカルジャンルの基準②音色
ボーカルにとっての「音色」は、声の「色」や「質感」です。
明るい声、暗い声、柔らかい声、するどい声…など、歌い手がもって生まれた特徴だけではなく、身につけた歌唱技術を用いた「表現」として、意図的に歌い分けをする場合もあります。
音色によって、同じ音の高さ、同じ言葉(歌詞)でも、聴き手への伝わり方がガラッと変わります。
そのため、音色もボーカルジャンルの基準となる大きな要素のひとつといえるでしょう。
ボーカルジャンルの基準③リズム
特にボーカルにとっての「リズム」とは、例えば、「歌詞をどのようなタイミングで、どのように切れ目をつけて歌うか」「ブレス(息つぎ)を、どこでするか」といったことです。
リズム、というとベースやドラムなどの、いわゆる「リズム隊」と呼ばれるパートの影響が大きいイメージがありますよね。
もちろん、それは正しいのですが、
ボーカルは、ほとんどの場合に曲のメロディを担当するので、ボーカルのリズムも、実は思っている以上に、曲の全体の雰囲気や印象を大きく左右します。
ボーカルリズムにも、ジャンルごとの特徴・共通点があります。
ボーカルジャンルの基準④リリック(歌詞)
「リリック」とは「歌詞」のことで、ボーカルの表現において、リリックは非常に重要な要素のひとつです。
音楽は様々な国の演奏、ダンス、文化が重なり合い、ミックスされながら歴史を歩んできているので、ひとくくりにはできませんが、
歌詞の内容やテーマにも、ジャンルによる傾向や特徴があったりします。
愛を歌うことが多いジャンル、社会的なメッセージを歌にしたルーツがあるジャンル…など、ジャンルに合ったリリックについては、ボーカリストとして学んでおく価値がある、といえます。
主要なボーカルジャンルとその特徴
ここでは、代表的なボーカルジャンルを順番に見ていきましょう。
主要なボーカルジャンルを知っておくことで、
自分がメインとするジャンルへの理解がさらに深まったり、
表現の幅を広げることにつながったり、音楽制作や作曲をする人なら「新しい発想」を得るきっかけになるかもしれません。
ポップス (Pop)
ポップスのジャンルでは「幅広いリスナーに共感される」「親しみやすさ」といった点が、大きな特徴のひとつです。
そのため、ボーカルスタイルも「親しみやすさ」「キャッチーさ」といった辺りを求められる場面が多いでしょう。
覚えやすく、歌いやすいメロディー、わかりやすく親しみやすいリズム、多くの人から共感される歌詞、といったところは、ボーカルジャンルとしてのポップスの特徴といえるでしょう。
ロック (Rock)
ロックのボーカルは、他のジャンルに比べて、特に力強く、エネルギッシュな表現が求められます。
「シャウト」の技術も多用されるので、声のボリュームや鋭さが重要になる場面が多いです。
また、感情を前面に表現して、リスナーに強いインパクトを与えるため、ストレートで心を揺さぶるようなリリックが多くみられるジャンルです。
ジャズ (Jazz)
ジャズの最大の特徴は「即興演奏」ですが、即興で歌うためには、特に技術的な面で高いレベルを求められることが多いといえるでしょう。
例えば「スキャット」と呼ばれる即興の音声表現では、音域の広さ以外にも「スケール」と呼ばれる、管楽器のような「音階」の知識と経験が必要になってきます。
ジャズはロックのような大音量で演奏することは、ほとんどありません。
ビッグバンドなどの大編成では音量や音圧が大きくなる場合もありますが、基本的にボーカルでは、柔らかい音色、しなやかなリズム、繊細な表現などが特徴的です。
クラシック (Classical)
クラシックのボーカルで、最も求められる特徴は「正確さ」「発声技術」「広い音域」といえます。
オペラなどでも、美しい高音域が必要になります。
また、楽譜をもとに音楽を再現する上で、楽曲に対する深い理解が求められます。
音楽理論の視点だけではなく、作曲者の生涯や、歴史的背景まで深掘りして演奏することは、決して珍しくありません。
「楽譜に忠実でありながらも、深く豊かな表現」をするために、
古くからの歴史を辿って、各発声法を正確に修得し、緻密に表現を重ねます。
R&B (Rhythm and Blues)
R&Bのボーカルは「ソウルフルで感情的な歌唱」が特徴です。
メロディラインに対して自由度の高いアドリブを加えることも多く、感情がたかぶるような場面では、高音域のアドリブでリスナーの心に響かせます。
グルーブ感のあるタイトなリズム、独特のブレイクや、フェイクも特徴的です。
その他の人気ボーカルジャンル
さきほど紹介した「主要なボーカルジャンル」のほかにも、たくさんの魅力的なボーカルジャンルがあります。
これから紹介するジャンルは、ほんの少しマニアックに感じる人もいるかもしれませんが、その分、それぞれに強い個性が光っています。
新しいジャンルに挑戦してみると、表現の幅が広がったり、新たな発想を得られるかもしれません。
ゴスペル (Gospel)
ゴスペルのボーカルは、ソウルやファンクといったジャンルと深い関係があります。
また、「教会音楽」という言葉だけで抱くイメージと、バンドが入ってノリの良い演奏で盛り上がる様子のギャップに驚く人もいるかもしれません。
おごそかに、静かに歌う場面ももちろんあるのですが、音楽の歴史の中で、ゴスペルもまた様々な音楽要素を柔軟に取り入れて、進化をとげています。
ボーカルでは特に、大きな声量と豊かな表現力が求められます。
コール&レスポンスも特徴のひとつで、かけあいをする場面が多くみられます。
メタル (Metal)
メタルのボーカルは、非常にハードで攻撃的なスタイルが特徴です。
「グロウル」や「スクリーム」など、激しい発声法が多用されるので、力強さとともに、持続的に高いエネルギーを保つための声帯のコントロールが重要です。
全体的な印象として、ハードさや攻撃性の高さが大きいですが、楽曲のリズムが緻密にできていることが多く、ブレイクや変拍子、ポリリズムといった複雑なリズムに対応できるメロディラインが求められます。
ミュージカル (Musical Theatre)
ミュージカルのボーカルは、演技と歌唱の両方を必要とします。
幅広い表現力と音域が求められるほか、劇的なシーンを音楽で表現するため、役者的な能力、演技力も重要です。
歌詞に感情を豊かにのせながらも、「セリフ」として聞きやすいように、明確な発音、発声の技術が求められます。
自分に合ったボーカルジャンルの見つけ方
自分にぴったりのボーカルジャンルを見つけると、歌うことがもっと楽しくなりそうですよね。
自分の声質に合ったジャンルを選んだり、歌いたい曲のジャンルに合った歌唱法をマスターすると、ボーカリストとしてのレベルが一気にアップするでしょう。
ここでは、自分に合うジャンルを見つけるコツや、参考になるアーティストを紹介します。
ボーカルスタイルを選ぶポイント
自分のボーカリストとしての可能性を探るなら、例えば自分の「声質」や「音域」「表現したい感情」から、フィットするボーカルスタイルを選んで歌ってみるのも、よいかもしれません。
声質と音色
まず、自分の声質や音色を理解することが重要です。
例えば、声が明るくクリアなタイプなら、ポップスやミュージカルのように爽やかで親しみやすいジャンルが合うかもしれません。
ダークで深みのある声なら、ロックやジャズのように感情を深く表現するジャンルにチャレンジしてみるのもよいでしょう。
自分の声がどのような音色なのかを意識してスタイルを選ぶことで、無理なく自然に歌いこなせるジャンルに出会えるかもしれません。
音域とテクニック
自分の音域と歌唱テクニックを考慮して、歌うジャンルを探してみる方法もあります。
広い音域を持っているなら、オペラやクラシックのように音域をフルに活かすジャンルに挑戦するのもよいかもしれません。
一方、特定の音域で強い個性を発揮できる、といった場合は、R&Bやソウルなど、個性の強い歌唱が求められるスタイルで、輝ける可能性があります。
自分の音域を知って、得意とするテクニックを活かせるスタイルを選んでみましょう。
表現したい感情やテーマ
「どのような感情やテーマを表現したいか」を、考えることも大切です。
例えば、社会的なメッセージを伝えたい気持ちがとても強いことで、ロックやヒップホップがフィットするといった場合もあるでしょう。
愛や、人間関係の日常的な共感を伝えたいなら、ポップスのジャンルが表現しやすいかもしれません。
自分が伝えたいメッセージや感情に合ったジャンルを選ぶことで、歌に込めた思いがより強く伝わったり、聴き手にとっても受け取りやすくなる可能性があります。
ボーカルジャンルごとのおすすめアーティスト
各ジャンルの代表的なアーティストを知ることも、そのジャンルのボーカル技術を学ぶうえで重要です。
有名なボーカリストたちの歌唱を、一度は聴いてみたり、まねて歌ってみたり、参考にすることで、ボーカリストとしてのレベルがアップします。
ここでは、これまでに紹介したジャンルごとに、著名なアーティストをリストアップしています。
紹介しているアーティスト以外にも、素晴らしいシンガーが多くいますので、特に好きなジャンル、興味のあるジャンルに関しては、有名なシンガーを調べてみるとよいでしょう。
ポップス (Pop)
- アリアナ・グランデ(アメリカ)
- エド・シーラン(イギリス)
- テイラー・スウィフト(アメリカ)
- ブルーノ・マーズ(アメリカ)
- カイリー・ミノーグ(オーストラリア)
ロック (Rock)
- フレディ・マーキュリー(イギリス)
- ロバート・プラント(イギリス)
- ボノ(アイルランド)
- ジョン・ボン・ジョヴィ(アメリカ)
- ジム・モリソン(アメリカ)
ジャズ (Jazz)
- エラ・フィッツジェラルド(アメリカ)
- フランク・シナトラ(アメリカ)
- ルイ・アームストロング(アメリカ)
- ビリー・ホリデイ(アメリカ)
- チェット・ベイカー(アメリカ)
クラシック (Classical)
- マリア・カラス(ギリシャ/アメリカ)
- プラシド・ドミンゴ(スペイン)
- ルチアーノ・パヴァロッティ(イタリア)
- レナータ・テバルディ(イタリア)
- ヨナス・カウフマン(ドイツ)
R&B (Rhythm and Blues)
- アレサ・フランクリン(アメリカ)
- スティーヴィー・ワンダー(アメリカ)
- マーヴィン・ゲイ(アメリカ)
- アリシア・キーズ(アメリカ)
- アッシャー(アメリカ)
ゴスペル (Gospel)
- マヘリア・ジャクソン(アメリカ)
- カーク・フランクリン(アメリカ)
- セシリア・バートン(アメリカ)
- サミー・デイビス・ジュニア(アメリカ)
- アンドレ・クラウチ(アメリカ)
メタル (Metal)
- ブルース・ディッキンソン(イギリス)
- ロニー・ジェイムズ・ディオ(アメリカ)
- ジェームズ・ヘットフィールド(アメリカ)
- オジー・オズボーン(イギリス)
- ターヤ・トゥルネン(フィンランド)
ミュージカル (Musical Theatre)
- イドゥナ・メンゼル(アメリカ)
- ヒュー・ジャックマン(オーストラリア)
- パティ・ルポーン(アメリカ)
- ジュリー・アンドリュース(イギリス)
- サラ・ブライトマン(イギリス)
まとめ
この記事では、ボーカルジャンルを理解し、自分に合った歌唱スタイルを見つけるための基礎知識と実践的な内容を紹介しました。
音域、音色、リズム、歌詞といった要素を押さえて、各ジャンルの特徴を理解することで、効果的に歌唱レベルをアップできます。
また、代表的なアーティストを参考にすることで、具体的な技術や表現方法を学んで、実際のパフォーマンスに活かせるでしょう。
この記事が、あなたの音楽体験がさらに充実するためだけでなく、ボーカリストとしてのスキルアップにも役立つことを願っています!